保育方針

1、異年令の自治集団作りを通して、一人一人の成長を

 学童保育には、集団遊びが好きな子・嫌いな子、一人遊びが好きな子、マンガを読むのが大好きな子、検定(伝承遊び)が好きな子嫌いな子、仲間をとにかく誘って遊びたい子、少人数で遊んでいたい子、仲間の前に出て引っ張っていくことが得意な子・尻込みする子、コツコツと作るとりくみが好きな子・面倒臭がる子、出来ないことがあると感情パニックを起こす子、他者との関係をうまく成り立たせられない子、よくしゃべる子・自分の気持ちを言葉に出せない子、塾や習いごとを沢山やっていて忙しい子、自分の我ばかりを主張する子・・・等々、いろんな子どもがいます。しかも、家庭環境も様々、生い立ちも様々な子どもたちの集まりで、保護者の子育て観・価値観等も多様化しています。

 共通しているのは、親が働いているということ、保護機能を大切にしつつ発達を促す大人の存在が放課後の生活に必要だということ、キッカケは様々ですが集団保育の中で子どもを育てたい、成長してほしいと願っている父母が子どもを預けているということ、学童保育という小社会で同じ集団で1年間を通じて生活を送っているということです。

 学童保育には、自分より弱く小さい存在と、自分と体力や感覚等が近い存在と、自分より強くて大きくて手が届かない存在の3つが揃っています。この3つが揃うことで成長の可能性を大きくすると考えます。こうした集団に、日々保育を受け持つ指導員が働きかけ導き手助けする、父母達が協力・支援していくことが一人ひとりの成長にとってかけがえのないものとなり、また大きな飛躍になると思います。

2、遊びを通して、生き生きとたくましい子どもに

 学童保育では、実際に大勢で走りまわったり、体をぶつけあったり、考えあったり、励ましあったり、助けあったり、挑んだり、挫折したり、我慢したりする集団遊びを通して、ルールを守ること、みんなで力を合わせること、最後まで頑張ること、自分を解放すること、全力を出し切ること、遊びをとりしきること、体力の違い・年令の違い等他者の存在を自然に受け入れられること、やれば出来ると感じられること、出来なくても苦手でもやってみること等を体験させたいと思います。そして、その成果が小グループでの自由遊びや話し合い活動や仲間関係等に反映・継承され、さらに遊びが発展していく、というサイクルが学童保育ならではのものだと思います。

3、基本的な生活習慣、基礎的な生活技術を身につける

 最近は、家庭生活の変化、生活様式の変化、生活環境の悪化、子どもの生活の夜型化、子どもの貧困の拡大、構造改革の名の下に「格差」を一般化しようとする政治の動き、産業構造の変化、父母の労働実態の変化、一方的な文化の享受、教育産業の台頭、外食産業の発展、食品公害の侵攻、安全神話の崩壊、携帯電話の普及と万能化、メールやラインを通じてのコミュニケーションの一般化等、様々な子どもをとりまく社会の変化によって、子どもの心・体・感覚・感性・価値観・常識等にいろいろな影響が出ていると言われる時代です。

 生活習慣や生活技術を身につけるうえで大切にしたいことは、将来自活し自立していける生活力をつけること、人との折り合いをつけたり、思いやる力をつけることです。

 学童の仲間と共にやる仕事(後片付け・ほうきや雑巾を使っての掃除、遊び道具の整理、包丁を使う、食器洗い、便所そうじ、話し合いの司会、おやつや給食の配膳片付け等)を通して基本的な生活技術、生活習慣を身につけさせたい、人間社会を成り立たせていくルールや規律を身につけさせたい、仲間と共に働く、他人のために働く喜びを体験、実感させたいと思っています。